身近に冒険遊び場を作ろう(6)

事故と対策(上)

”自分の責任で自由に遊ぶ”をモットー

羽根木プレーパークでは、入り口に、『自分の責任で自由に遊ぶ』と題する以下のような立て札を掲げています。
「プレーパークは公園での自由な遊びをめざして、区と地域の人たちと学生ボランティアとの協力で運営されています。ここの遊具は区の公園課で作ったものではありません。子どもの欲求に応じてボランティアを中心とする人たちの手で作られていますので、安全点検にはみんなの協力が必要です。気がついたことはプレーリーダーに知らせて下さい。子どもが公園で自由に遊ぶためには『事故は自分の責任』という考えが根本です。そうでないと禁止事項ばかりが多くなり、楽しい遊びができません。このプレーパークのモットーは『自分の責任で自由に遊ぶ』ことです。みんなの協力で楽しい遊び場を作りましょう!」。

禁止事項の多い街中の公園

事故による管理者責任回避がネック

市町村で管理する街中の公園では、大きな立て札に、キャッチボールなどのボール遊び禁止や木登り禁止、芝生に入らない、たき火をしない……等々、禁止項目ばかりずらりと並んでます。このようになった背景には、事故が起きた場合の管理者として管理責任を問われるのを防ぐための処置からとられたものでしょう。
子どもの遊び自体が禁止されているのと変わりありません。これでは、スベリ台やブランコに乗って、あきればベンチで静かにあたりを眺めているか瞑想にでもふけっていなさい、と遊び盛りの子どもたちに言っているのと同じです。
今日の子どもは、身長や体重などは著しく向上しながらも、投げて走って跳躍するなどの基礎的な運動能力は、年々衰えているといいます。そのせいでしょうか、転んでも手をつくことができないために、顔や頭を打って怪我をより大きくする、といった事態ももうかなり以前から指摘されている通りです。それだけに、幼児のうちから身体を使う遊びをもっと重視すべきでしょう。

自己責任は基本でも事故対策は当然必要

近くの医者との間に理解と協力関係作る

事故が起きた場合に備えて、近くで開業する外科医などに駆けつけてもらえるようにしておくことも大切です。医者であれば、怪我の程度やどういう状態で起こったかなどを聞き出して、必要な対応をしてくれるでしょう。しかも、なかには事故が起こるのは危険な遊びができるからだと、冒険遊び場を危険視する親もいるでしょう。
そんなとき、少しは危険でも、危険の防ぎ方や、子どもたちの好奇心や冒険心の芽を摘まないで、よりよく伸ばしてやることが必要であることなどを話してもらえれば、医師という専門的な立場の人の言葉だけに、親たちへの説得力も大きいでしょう。
事故を最小限に抑える工夫はもちろん、起きてしまった場合に備えて、医師などに協力してもらえる環境づくりを是非しておきたいものです。

医師がいない場合速やかに病院へ行く

協力してくれる医師がいない場合、 またいても、すぐこれない場合もあります。そんなときは応急手当をして、すぐ病院などに連れていくことが大切です。その際、子どもが怪我をした状況を知っている大人が付き添って、その状況を医師に説明できれようにするとなおいいでしょう。