身近に冒険遊び場を作ろう(4)

遊び場で遊具や遊び場所の設定に工夫を

大人の固定観念で遊具を選ばない

遊具は、型にはまったブランコや滑り台、砂場といった児童公園。ちょっとハイカラに海賊船や物見櫓のような建造物を設置しているすこし大きな公園もありますが、興味を示すのは初めの内だけ、すぐに飽きられ閑古鳥が鳴いている、といった風景がよく見られます。
これらは、大人の観念的な子どもの遊びへの認識から、既製の遊具だけにとらわれてしまい、子ども本来のエネルギッシュな好奇心や想像力、多様性や創造性を考慮しないまま、ただ与えればいい、といった安易な考えが上記のような状態を生むのです。

遊具は想像力や好奇心を刺激するものを

それだけに、公園の広さや地形、環境などにもよりますが、子どもたちに人気のある遊具としては、ターザンロープや滑車ロープ、モンキーブリッジ、というような冒険心をくすぐるものなど場所に適した遊び遊具を子どもを交えて考えるのも面白いと思います。
また、子どもたち自らが作る木の上のターザン小屋や、小山などの傾斜を利用した滑り台、穴掘り、焚き火のできるカマド、竹トンボや竹馬、そのほか考えつくいろんな工作のできる工作台、そのための工具いろいろ、水道、動物の飼育小屋というように、遊びの広がりに応じて対応できるようにしていきます。

活動拠点となる本部小屋を作る

それと、本部をおける拠点を設けたいですね。羽根木プレーパークでは、それを「小屋」といっていますが、地域のプロの大工さんなどの力も借りて、みんなで力を合わせて自力で作ったそうです。
そこでは、ちょっとした会議も出来て、突然の雷雨や降雨の際、幼児などの避難場所になったり、救急箱などを置いたり、お茶なども飲める運営委員の休憩場所としても使える、こんな場所がほしいですね。

道具や資材置き場の小屋も作る

さらに、子どもたちがいろいろな工作をするための道具や材料を保管しておく資材小屋も必要です。材料となる資材としては、板や角材などの廃材を貰い受けるといいでしょう。それに竹材なども用意しておきます。竹トンボや竹馬などをつくるのに必要です。そういう材料を使って、子どもらは木の上にターザン小屋を作ったり、秘密基地を作ったり、鶏やウサギなどの飼育小屋を作ったり、また、竹とんぼや竹馬づくりにと、好きなものに挑戦できるのです。

親だけでなく近所の大人も一緒に楽しむ

このような場に大人も加わって、子どもに教えるというより、ご自身も楽しむくらいの気軽さで一緒にやることで、昔とった杵柄が、子どもたちに見よう見真似で技術を伝承していくことにも通じるでしょう。

「事故は自己責任」の原則を徹底

擦り傷きり傷はつきものということ

ところで、ここで大切なことは、小さな事故はつきものということです。ちょっとした切り傷、打ち身、擦り傷などは、本部小屋で薬などを塗ってもらって、あまり大袈裟にしないことです。はじめに書きましたように、「事故は自己責任」の原則を守れないと、プレーパークのような冒険遊び場は成り立ちません。

近所の医師などに協力依頼しておくことも

当然、プレーリーダーなどで安全の手ほどきや考え方を教えてはいますが、大勢の子どもたちの自由自在な遊びに全て目を光らしていることは不可能です。「事故は自己責任」の考え方の徹底が大切です。
ですが、また、近くの外科医院や病院にも事前に冒険遊び場のことを説明しておき、万一の場合、医者にも協力をお願いしておくなどの配慮も必要です。

冒険遊び場に親の理解は欠かせない

ところで、このような事故でない場合でも、子どもは泥んこになって遊ぶものですから、普段の感覚からお母さんたちはビックリして、泥んこ遊びを叱ります。しかし、その泥んこ遊びに子どもの好奇心が凝縮されているのですから、そのような親の理解が欠かせません。冒険遊び場の理念と理解をまずはじめに図っておくことが必要です。