身近に冒険遊び場を作ろう(2)

思いを共有する人で仲間づくりを

子どもらにもっと自然に触れさせたい、いろいろな体験を積ませたい、子ども同士の遊び仲間を増やしたい……、と考えるものの、どうしていいか分からないというとき、同じような思いのお母さんたちがまず話し合って、仲間を増やすことが必要です。
そんなとき、はじめから議論ではなく、育児の心配事や悩みなどを率直に話し合ってみてはどうでしょう。みんなが抱えている多かれ少なかれあるそんな悩みを共有しながら、仲間を増やしていけないでしょうか。
 いろいろ話しているうちに、みんな同じような悩みを持っているんだ、自分独りではない、ということが分かると、勇気が沸いてくるものです。そして、話しているとらくになった、なんとなく楽しい、という雰囲気が生まれるとしめたものです。
そんな気軽に話し合える場所があるといいですね。公園の一角でもいいし、気軽に入れる喫茶店や公共の公民館、コミュニティセンタ――と、地域の中で手に入る拠点を探しておくと便利です。

さらに仲間を増やしましょう

近所の医者にも協力者に

最初の問題意識を持ったお母さん、お父さんたちが核になって、問題意識を共有する人たちの輪をさらに広めていけないでしょうか。公園などで子どもを遊ばせているお母さん、お父さんにそれとなく話し掛けてみてはいかがでしょう。
また、子ども会や児童文庫、子ども劇場、青少年スポーツ団体等々、地域にある既存の団体にも呼びかけて、子どもにもっと自由で創造的な遊びのできる環境づくりを呼びかけるのです。
そんなとき、地域の医者に協力してもらうのも効果的です。医者が、子どもの心身の発達のために、運動の効果を説いてもらえば、説得力があるからです。また、もし子どもに怪我などがあった場合にも、適切な判断や助言が期待できるからです。

地域応援団をつくろう

定年後の高齢者に力になってもらう

地域の中高年、とくに定年になって、時間に余裕のある高齢者などが気軽に参加してくれるといいですね。自分たちの子どものころの豊富な体験を活かしてもらって、竹とんぼなどの工作やものづくり、焚き火の仕方、昔のお話…などを子どもと一緒になって楽しんでもらえれば最高です。
そんな意図から高齢者にも参加願って、冒険遊び場づくりに力になってもらうのです。高齢者はことのほか乳幼児を可愛く思うものです。そんな高齢者と子どもたちのスキンシップが、高齢者には楽しみを、子どもたちには可愛がってくれる大人との信頼関係をつくる契機ともなるでしょう。
まだ冒険遊び場の実現まではいかないでしょうが、さらに多くの人にアピールしてもらう上で、勉強会や講演会を開くのもいいでしょう。はじめは金もありませんから、講師は、行政の関係者にお願いするとか、近くでお願いできる研究者などを探すといいでしょう。有名人を頼もうなどと思わないことです。
子ども連れのイベントを開くことも面白いでしょう。手作りの立ち食いパーティとか、場合によっては資金集めにもなるガラクタ市やリサイクル市などを開いて、マスコミなどで掲載されれば活動を広くアピールすることにもなります。

少しずつみんなで支え合う仲間づくりに

仲間づくりは、一部の人に過度にウエートがかかったり、過度な期待をせず、みんなで少しずつ協力して活動を担うというのが理想です。少しずつでもみんなで参加し、だしあった力で出来た時の満足感、達成感はなによりも大きな喜びです。
活動は、まず信頼できる仲間を、地域の中で作り出すことが始まりです。
今日の社会は、情報は有り余るほどありながら、人々はマイホームの中で親子だけの核家族が孤立し、孤独な思いで生活している、というのが一般的なありさまです。そんな孤独を解消するためにも、子どもたちの健全な成長、発達を図るうえからも、未来の社会を担う子どもを軸にした自由で創造的な遊びを地域のなかで実現したいものですね。